[No.38] 2002.4.21 Thinking About English

 春学期もあと1か月を切りました。時々、UCAELIの学生とクラスの事や勉強の事を話すのですが、彼らの中にも英語が聴き取りにくくて困っている学生が何人かいます。自分だけでなくて良かったと思うのと、自分の聴き取り能力の悪さに嫌気がさすこともあります。講演などの一方的な話しなら分からなかったで済みますが、会話の中で相手の話している事が分からないというのは、会話が成り立たないので、かなりストレスが溜まりますし、時に誤解を生じる事もあります。聴き取れないというのは、発音、アクセント、各単語のリンク、イディオム、スラング、人名や地名などが理解できないという事に他なりません。ゆっくり話して貰ったり、書いて貰えれば理解できるのですが、話し言葉は本当に難しいです。しかし、英語にはイディオムやスラングが多く、一つ一つの単語は理解できても、全体の意味は理解できないという事がよくあります。「tie the knot with~と結婚する」、「hit it off with~と直ぐに仲良くなる」など。

 テレビでニュースや映画やドラマを見ますが、ニュースのアナウンサーの話し方も早い事は早いのですが、一語一語が明瞭なのと同じ人が話しているので概ね理解できます。ところが、映画やドラマなどではバックに音楽や効果音が入ったり、話す人それぞれの声質や音程や明瞭度が違うため聴き取りは難しく、イディオムやスラングが多いと一層難しくなります。テレビで映画を見る時は、画面に英語の字幕が入る設定にして観たりしますが、話と字幕のタイミングがずれるので余り役に立ちません。一番わかりやすいのはテレビのコマーシャルかも知れません(言おうとすることが想像できますから)。

 結論は、「慣れるしかない」ということになると思いますが、ある学生は、ヨーロッパ系は6か月で英語に慣れてしまうけれど、アジア系は英語に慣れるまで22か月かかると言っていました(出所はどこか分かりません)。そんなものなのかなーと妙に納得してしまいました。特に日本人は中学、高校でおかしな英語教育を受けて、カタカナ英語を日常的に使っているのと、日本語には冠詞や単数複数の概念がないので、正しい発音でのちゃんとした英語はなかなか身につかないように思います(私が出来ないのを正当化している訳では決してありません)。

 最近、私のグラマークラスでは私のことを「Mr. Why(ミスターワイ)」と呼びます。よく質問するからだそうです。そして、私が質問すると、先生は「Think about it, but not too much!」と言って、直ぐには答えてはくれません。考える事が大事といって、辞書を調べようとすると注意されます。確かに、辞書は簡単に答えがでますが、忘れるのも簡単です。しかし、硬くなっている私の頭では、考えても答えはなかなか出てきません。トホホ!

Previous <-- List --> Next